人が集まる手賀沼公園とNORTH LAKE CAFE & BOOKSさん

     

2019年7月の日差しが強い夏の日に
手賀沼公園とNORTH LAKE CAFE & BOOKSさんに
訪れた時のことを綴ります。

手賀沼の記憶

約30年ほど前
生まれてから小学生低学年の途中まで
我孫子市に住んでいました。

まだ小学生になる前
一度だけ親父に連れられて
手賀沼に行った記憶があります。
(正確には何回か行ったのかもしれませんが記憶がないので)

覚えているのは2つだけ
1つは親父と私しかいない寂しい沼辺と手賀沼の景色
なぜか記憶のその景色はすべて灰色です。

もう1つは匂いです。
どんな匂いなのか詳細は覚えていませんが
嗅ぎたくない匂いが漂っていたのを覚えています。

小学生になってからの手賀沼の記憶はありません。
たぶん、行っていないのではないかと思います。

『日本一汚い』の称号と手賀沼の歴史

手賀沼と言えば日本一汚い湖沼のイメージがあります。
日本の高度成長期の住宅地増加に伴い
生活排水が大量に流れ込み
手賀沼の水質は大きく汚染されました。

しかし汚染前、昭和20年代までは
沼底が見えるほど水面は透きとおり
普通に泳いで遊んでいたそうです。

特に昔は鰻と言えば手賀沼といわれるほど有名で
江戸時代のウナギの8割は手賀沼産だったそうです。

手賀沼 鰻 うな重

鰻大好き

その時の名残か今でも我孫子駅前や
手賀沼公園に向かう通りには
鰻屋さんがちらほら見受けられます。

今でも手賀沼に鰻は生息はしていますが
『手賀沼産のウナギ』
の名前はとんと聞きません。

水質汚染やコンクリート護岸が増加したことに伴い
鰻の数が大幅に減少したこと
日本一汚い湖沼のイメージの手賀沼を
生産地として冠につけるのは
憚られているあたりが原因なのかもしれません。
そもそも2011年3月の福島第一原子力発電所事故の後
放射性物質が手賀沼にも飛来したため
手賀沼から魚類の食用出荷を自主規制しています。

さてさて先ほども書いた通り
昭和30年代に入ると柏市の人口増加とともに
手賀沼は生活排水で汚染され続けて
昭和49年~平成12年までの間
27年間日本一番汚れている湖沼であると
環境省に認定され続けることになります。

私が幼いころ手賀沼行ったのは
昭和60年前後なのでちょうどその頃です。

 

綺麗な頃から手賀沼を見続けている方には
どんどん汚されていく様子をどんな思いで
見ていたのでしょうか

手賀沼の今

先日本当に久しぶりに手賀沼に訪れる機会がありました。

我孫子駅南口から5分ほど歩くと
手賀沼公園に着きます。

そこには記憶とまったく違う景色がありました。

手賀沼公園 緑地

手賀沼公園 

誰もいなかったあの頃と違い
釣りをしている人や
散歩している親子連れ
遊んでいる子供たちなど
あちこちに人がいました。

見える景色は灰色ではなく
(これは、当たり前ですが(笑))
あの時の嫌な匂いもしませんでした。

バスケットをしている人もいます。

手賀沼公園 バスケットボール

自然といろんな人が水辺に集まっていました。

かく言う自分も
水辺に惹かれて湖畔まで歩きましたから

今でこそそんな風景を見ることができますが
先ほど書いた通り手賀沼は
昭和49年~平成12年までの間
日本で一番汚れている沼でした。

しかし平成14年、ワーストランキングで
日本で9番目にまで回復しました。

ちなみに平成29年ではワースト3でした(おい)
手賀沼水質情報 全国湖沼汚濁度順位発表:我孫子市公式ウェブサイト

ただランキングよりも
どれだけ綺麗になったかが大事です。

今現在湖沼の汚染を占める指数として
COD=化学的酸素要求量があります。

COD=化学的酸素要求量
水中の被酸化性物質を酸化するために必要とする酸素量で示したもの。
代表的な水質の指標の一つであり、酸素消費量とも呼ばれる。

1990年代、COD年平均20mg/lだった数値は
2018年COD年平均8,6㎎/lと半分以下になっています。

とはいえ環境基準値のCOD年平均5㎎/lには達してはいないので
決して綺麗とは言えないかもしれませんが
手賀沼から匂いが無くなったのも納得です。
(匂いがしている状況が異常事態だったのですが)

未来を信じて時間を積み重ねた人がいる

手賀沼の水質浄化方法について簡単に調べたところ
北千葉導水路により利根川の水を手賀沼に流入させたり
手賀沼から手賀川へ流れる入口に浄水施設を設置したり
(これは手賀沼の浄化というより手賀沼の水を
浄化した上で外にだす意図ですが)
住宅向けに
高度処理型合併処理浄化槽補助金
を設置し一般家庭に
高度処理型合併処理浄化槽の設置を促進させたり
ちょっと調べただけでもいろんなことが出てきます。

その施策が行われたのは
手賀沼が湖沼水質保全特別措置法に基づく
指定湖沼として指定されていることも大きい
とは思いますが、
綺麗な手賀沼を取り戻すために
動いた人々が少なからずいらっしゃった
のは間違いないはずです。

その方達は自分の目で綺麗な手賀沼を見たい
だけの気持ちで動いていたわけではないと思います。
子々孫々の世代に
腐臭がして人が寄り付かない手賀沼ではなく

あの透き通った水面と緑の湖岸に
人も鳥も動物ももちろん魚も集まる風景
水浴場が設置され、日本一のウナギが取れた
あの誇るべき手賀沼の姿を。

 

その中には今の手賀沼を見ることをなく
お亡くなりになった方もいるかもしれません。

 

しかしその己よりも未来に目を向け
積み重ね続けてくれた動きがあったからこそ
少しずつ少しずつ元の姿に近づいていき
その進みと比例して人や動物も集まりだし
緑も増えて綺麗になりつつあり
結果、活気溢れる水辺がある手賀沼に
私は訪れることができたのだと思います。

 

『未来へなにかを残すために生きること』
の意義をしっかりを体感することができました。
これって結構貴重な経験です。

手賀沼公園すぐNORTH LAKE CAFE & BOOKS(ノースレイクカフェ&ブックス)さん

もしかしたらこちらのカフェが
手賀沼公園から歩いてすぐの処にあるのも
手賀沼の歴史から生まれし必然なのかもしれません。

手賀沼公園を出て『手賀沼ふれあいライン』を
手賀大橋方面に歩いてほどなくすると
本棚にびっしりと本が並べられている
店先が視界に入ってきます。

NORTH LAKE CAFE & BOOKS

『古本買取』の看板もあるので
一見すると古本屋さんと間違えてしまいそうです。

NORTH LAKE CAFE & BOOKS 古本買取

立て看板もこんな感じですし(笑)
(ちなみに裏面にはメニューが書いてありました)

NORTH LAKE CAFE & BOOKS 立て看板

夏猫展ってなんだろう?
って、Instagram見たらこんな投稿が


猫好きのハートを鷲掴みですね(笑)

そんなInstagramを載せている
この古本屋さんと間違えそうなこちらは
NORTH LAKE CAFE & BOOKSさん
『ノースレイクカフェ&ブックス』
と読みます。

お店に入るとやはりというか
無数の本がお出迎えです。

NORTH LAKE CAFE & BOOKS 古本

この日のランチはタコライスか焼きカレー

しっかり悩んで焼きカレーにしてから
お店をゆっくり眺めてみます。

NORTH LAKE CAFE & BOOKS

NORTH LAKE CAFE & BOOKS 店内

Wi-Fiもあるんですね

NORTH LAKE CAFE & BOOKS 店内

NORTH LAKE CAFE & BOOKS

よく見ると電源もたくさんあります。

NORTH LAKE CAFE & BOOKS 電源

なによりこの電球が読書感を煽るなぁ

NORTH LAKE CAFE & BOOKS 電球この灯の下に気楽に選んだ本を置いて
ただ読むことにふけりたくなります。

これはついつい長居してしまう

 

なんて考えてたら焼きカレーがきました。

NORTH LAKE CAFE & BOOKS 焼きカレー

近づいて『どーん撮』

NORTH LAKE CAFE & BOOKS 焼きカレー

付け合わせの野菜が5~6種類ありました。
これがさり気なく嬉しい。
普通、レタスにトレビスに玉ねぎとかで
サクっと済ましたくなるところなのです。
野菜の保管状況もいいし
焼きナスの胡麻ドレッシング和えもあったり
(皮剥くの手間かかるんですよね)
細かい手間がびっしり感じます。

焼きカレーはとってもとっても豆豆してて
アツアツでゴロゴロして食べてて楽しくなります。
あまり楽しみすぎると火傷するかもな熱さのでご注意を(笑)

結構暑い日でしたが
ホットコーヒーにしました。
好きなんです、温かいのが。

NORTH LAKE CAFE & BOOKS コーヒー

焼きカレーも大変美味しかったのですが
個人的にこのコーヒーが一番記憶に残っています。

深めの中煎りなんですが
苦すぎず濃すぎず
厚く柔らかい味わいでした。

ちなみにカップのロゴが
『手賀沼と自然と本とコーヒー』
をわかりやすく伝えてくれているのですが
その中でもカップの上の淹れる時の雫が
お店のコーヒーへのこだわりを感じます。

後ちょこっと見えただけなのですが
ケメックスで淹れていたように見えました。
珍しいなぁ。

ちなみにケメックスってこういうのです。
参考までに。

コーヒー ハンドドリップ ケメックス

手賀沼を散歩していて見つけた
NORTH LAKE CAFE & BOOKSさん
インテリアもフードもドリンクも
とっても丁寧なお仕事をされているけれども
それをお客さんは過剰に感じさせないので
肩肘張らず穏やかな時間が過ごせました。

 

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