飲食店開業時に融資認可された飲食店廃業率の高さの矛盾

     

個人で飲食店を開業するお店の9割は金融機関から融資を受ける

貸す方の金融機関は、
当然事業として上手くいくかどうかをかっちり審査して
適切な場合にだけ融資をするはずです。
なぜならば、金融機関は貸したお金の利子で利益を得ているので
お金が返ってこなければただの損になってしまうからです。
その金融機関の審査を経て、融資するにふさわしい事業と認定されたというのに
開店したお店のうち5年で7割が廃業するという矛盾が実際に起きています。
廃業し返済能力が消滅したら融資した金融機関も大損になってしまう。

3割廃業ならともかく、7割廃業はどう考えても多すぎると思いませんか?

なぜそんな自分の首を絞めるような融資を金融機関がするのか

その理由は

『損をしないから』

つまり金融機関側は

『貸した相手が廃業して返済能力がなくなっても損しないアテがある場合がある』

ということです。

『信用保証協会』を使って融資を受けた場合

その一例として信用保証協会を事例にだしましょう。
信用保証協会とは
保証人が見つからない人に対して、
審査を経て信用保証協会が保証人になるという組織です。

信用保証協会そのものはお金を、貸しませんが
信用保証協会が保証人になった場合99%の確率で金融機関の審査は通ります。
特に初めての開業、創業融資の場合は100%と言ってもいいでしょう。
(少なくとも周りでは聞いたことがありません)
本来、保証人がいても審査が通るとは限らないのに。
なぜか
信用保証協会の審査が厳正で信頼がおけるものだから
ではありません。

理由は
『信用保証協会が保証人になった事業主が貸し倒れた場合、
金融機関が貸した金額の8割を信用保証協会が負担する』
からです。

もう1つ付け加えると
『創業融資で貸し倒れた場合、信用保証協会が全額負担する』
からです。

つまり金融機関からすれば
『信用保証協会が保証人になっている創業融資の案件』
は確実に損をしない鉄板な案件なわけです。
そりゃ融資を100%で通しますよね。

ちなみに信用保証協会が負担と書きましたが
信用保証協会は公的組織、つまりその財源は税金です。

信用保証協会も税金であって自分の資金でない
金融機関も自分の財布は痛まない
だから事業計画が甘くても通してしまう
ということが起こりうるわけです。
結果、潰れるお店が後を絶たない、ということが起きてしまうのです。

融資が降りた事業計画書=完成度の高い事業計画書ではない

つまり
融資が通ったからと言って
必ずしも飲食店経営事業として完成度が高い事業計画書ではないということです。

言い換えると
物件取得前の事業計画書の必要なのは
融資申請用ではなく
飲食店事業として成功するための事業計画書
の作り方です。

それについては
飲食店開業で繁盛店になる事業計画書の書き方
で解説しています。

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