火の用心!店舗火災を防ぐ為に実践すべきこと

     

多発する飲食店火災事故

2016/12/21 麻布十番のビルで火災発生

2016/12/21
麻布十番の知人が働いている
ビルのダクトから火が出て(知人のお店は2階)ビルが火災
2階の知人が働いているお店も
営業ができない状態になりました。
(知人のお店が出火元ではありません)

飲食店 麻布十番 火災

これはその時の写真です。知り合いのインスタグラムの写真を本人の許可を得て転載させていただいています。

2016/12/22 新潟県糸魚川で大規模火災

麻布十番のニュースで気を付けないとと思っていたら
新潟県糸魚川で大規模火災が発生。
未確認ながら火元が飲食店らしいと報道されていました。

ここではどこが出火元か
なんて犯人探しはしません。
このような事故が起こらないために
店舗として何をすべきかを記事にしたいと思います。

東京消防庁予防部予防課のガイドライン

東京消防庁予防部予防課から
飲食店の厨房設備等に係る火災予防対策 ガイドライン 
なるものがでています。
詳しくは読んでもらうとして最後のまとめを引用しますと

● 3つのポイントを確認しましょう!

「②飲食店の厨房設備等からの火災を防ぐ3つのポイント」の進捗状況を日頃から確認し、火災 予防対策を進めて下さい。

● 防火意識向上シートなどを利用して、防火意識の向上を図っていますか。
● 定期的な厨房設備等や排気ダクト等の点検を行っていますか。
● 点検の結果に基づく清掃が確実に行われていますか。

この3つがポイントと書いてあります。
これについて瀧澤の経験から火災を防ぐために
より実践的なことをいくつか補足したいと思います。

防火意識の向上

これに関しては日々の心がけがなんですが
じゃあどこに心がけるかと言うと

ガスの元栓やブレーカーや起動スイッチの位置を全員で共有

ガスの元栓やブレーカーや起動スイッチの位置を全員で共有

まずここからですね。
教えるのが面倒だとか
言ってもなかなかやってくれないだとかで
ついつい自分一人でやってしまいますが
スタッフ全員でこの場所をわかるようにしましょう。
具体的には、店の開店作業や
閉店作業をスタッフに任してみること。

開店、閉店は自然とガスの元栓をはじめ
各種機器のコンセントを抜いたりさしたり
スイッチをオン、オフにしたりなどするので
自然と意識することになります。

火を使った調理中には必ず目に届く範囲にいる

火を使った調理中には必ず目に届く範囲にいる

こう書くと

『それじゃダメだろ!火を使っている間は必ず目の前にいないと!』

と御叱りを受けそうです。
ホントにごもっともなのですし
実際それが理想なのですが
それができないのが現実で
お店がまったく回らなくなってしまいます。
例えば、ラーメン屋さんで仕込んでいるスープ。
お店でスープを作っている場合
営業と同時進行でスープを仕込んでいることがほとんどです。
じゃあ、そのスープの前に必ず人がいるか
といったらそれはちょっと現実的ではありません。
これはラーメン店に限らず出汁にしろ、
フォンにしろ、ブロードにしろ
スープを仕込む飲食店ならすべて共通していることです。
またピーク時の営業中は1人で
コンロを3~5同時に進行することなどザラにあります。
ソテーパンを振っている横で
別の鍋で食材に火を通しておくなんて日常茶飯事です。
なので、せめて目の届く範囲でしっかりと管理することです。
 店舗設計時からこれを意識した作りにして欲しいです。

脂を溶かす時は直火で溶かさない

これが調理に直接使用する分を
調理鍋で溶かす場合ではなく
その前段階でいっぺんに溶かす場合です。
これで一番怖いのがラード缶を溶かす時。
ラード缶の脂は動物性なので最初固まっています。
今みたいな冬の時期ならなおさらです。
なので、使う前に使う分を取り出し常温で溶かすのが基本なのです。
ここでやってはいけいないことがラード缶ごと火にかけること
あっという間に溶けますが、あっという間に熱も入ります。
筆者の知り合いでがラード缶を直火がけしたら缶から発火しました。

脂を溶かす時は直火で溶かさない

燃え上がった炎は換気扇の
ダクトに向かって横に走ったそうです。
火事になる前に消し止めたそうですが
その知り合いは消火の際に左腕を大火傷を負いました。

点検の結果に基づく清掃

点検の結果に基づく清掃

点検の仕方については割愛します。
東京消防庁のガイドラインにもしっかり書いてありますので参考にしてください。
具体的な清掃方法についていくつか

ダクトとフィルターはこまめに清掃

ダクトとフィルターはこまめに清掃

まずはこれです。
特にダクトですね。
基本出火したとしても排気ダクトは
不燃材料で作られているものなのでそうそう燃えるもんじゃありません。
しかし、汚油や埃がみっちりついていたら話しは別です。
これらに燃え移って燃え盛ることになります。
なのでダクト清掃はは非常に大事なのです。

生ごみやシンクの周りをきっちりと掃除する

生ごみやシンクの周りをきっちりと掃除する

水回りや調理場は意識しないと
食材のカスが小さく散乱しがちです。
普段の食材管理からしっかりと
『汚さない』衛生観念を持つと同時に

『汚したら掃除する』習慣が大事です。
なぜならば、食材カスが落ちていれば
それを餌にする虫が発生し
またそれを餌にするネズミが発生することになります。
それによる衛生具合の低下も問題ですが
このネズミ人知れず住みつき
人知れず死骸となります。
その死骸も虫などの養分になりますが
間違いなく汚れとして店舗に積み重なります。
当然火が発生した時
とても引火しやすいものとなるのです。

清掃業者や防鼠防虫業者を効率よく使おう

とはいえ、完璧にはなかなか掃除しきれるものではありません。
年に数回はプロに頼みましょう。
お店の清掃から防鼠防虫もプロが入るとやはり違います。
筆者の以前の働いていた行列店は
営業後みっちり2時間掃除した上に
定期的に業者を入れて
衛生状態を高いレベルで維持していました。

店舗設計の段階なら掃除しやすい店舗設計を

店舗設計の段階なら掃除しやすい店舗設計を

これは筆者のクライアントさん全員に伝えることです。
よく動線を考えて、とか、目線は届くようにと言いますが
掃除しやすさを考えて店舗設計することは意外に少ないようです。
具体的には、手の届きにくい場所や隙間をなるべく少なくする。
水がしっかり流せる場所やデッキブラシや
水切りが使いやすいキッチンにするなどですね。

流しの下や作業台の下がいざという時
取り外しできたりするとやりやすかったりします。

 

 

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