孤独のグルメがきっかけで変化した食べることの表現方法

     

超大人気グルメドラマ 孤独のグルメ

ただおっさんが飯を食っているだけの30分のドラマで始まった孤独のグルメ
season5まで放送し、正月などにスペシャル版も放送されるほど大人気となり
『深夜の飯テロ』という異名を持つまでになりました。
なぜここまで大人気になったのでしょうか?

孤独のグルメと花のズボラ飯の決定的違い

それを考察するに1つのわかりやすい比較対象があります。
それは花のズボラ飯
2012年「このマンガがすごい!2012年版 オンナ編」で1位になり
2012年10月にドラマ化されました。
なんとその時孤独のグルメseason2も放映開始。
この年の1月に初回の放送をした孤独のグルメはすでに
深夜の飯テロのポジションを確立していました。
この花のズボラ飯、孤独のグルメとの共通項として
・美味しそうなグルメ
・原作者同じ
・深夜枠
を揃えてきました。
ちなみにこの2つ原作者はどちらとも久住昌之さん
しかも孤独のグルメは松重豊さんにたいし
花のズボラ飯は倉科カナさんという
孤独のグルメにはないかわいい女性を投入することで
女性版孤独のグルメ枠を狙いにきていました。
違いと言えば、外で食べる松重豊さんと家で作る倉科カナさんぐらいのように思えました。
実際に
深夜に食べたくなる料理の選択
松重さんと対比を狙うかの如くの倉科カナさんのかわいさアピール
さらに、ドラマ中に松重豊さん演じる井之頭五郎らしき人を孤独のグルメのテーマ曲と共に出場させる
など、なりふり構わず女性版孤独のグルメポジションを狙いにいったように思えます。
が、視聴率だけで見るとそれは叶わなかったようです。
ちなみに孤独のグルメSeoson2は絶好調でした。

ならば違いはなにか
瀧澤は
料理のおいしさを
喋って伝えているか
回想で伝えているか
だと結論づけています。

花のズボラ飯は、食べながら感想を喋っていました。
子供のころ
『食べながら話すんじゃありません!』
と親に怒られたことが一度くらいあるかと思いますが
日本では食べながら話す、というのは行儀が悪くとらえられますし
倉科カナさんの魅力をもってしても見ていて決してキレイな絵にはなりにくいです。
結果、視聴者の食欲を刺激することができなかったのではないでしょうか?
また食べながら、と同時進行で美味しいという表情も表現しきれなかったかと思います。
それに対し孤独のグルメは基本食べながら思っていることをアテレコで流しているので
表情には美味しさが溢れ、なおかつ絵的にもキレイです。
(もちろん松重豊さんの演技力あってのものだと思いますが)
その差が結果として現れたのかなと思っています。

まとめると
・深夜の時間に
・味が想像できる美味しそうなものを
・演技力のある俳優さん(松重豊さん)が
・美味しさを回想式で表現する
が孤独のグルメヒットの方程式な気がします。

追随するその後のグルメマンガやメディア

その方程式が認知されてきているせいなのか
忘却のサチコ
ワカコ酒 
ごほうびおひとり鮨
といった人気のグルメ漫画では
ほとんど食事の感想を口にださず
頭の中で思っていることを表記する
形で描かれています。

ちなみに
テレビでの女性版孤独のグルメポジションは
武田梨奈さん主演の『ワカコ酒』におちつきつつあります。
当然ドラマ化ワカコ酒は回想式でした。
seoson2までやってたところ見るとそれなりに好評だったようです。

ワカコ酒については
ワカコ酒 追加オーダーを頂く確率を大幅にあげる魔法の一冊
でも解説しています。

とはいえジョジョの奇妙な冒険4部の
『イタリア料理を食べに行こう』
は、食べ手の虹村億泰は喋りまくっているのにめちゃめちゃ美味しいそうというか
食欲に引きずり込まれるような描写になっているので
一概にそうは言えないのかもしれませんね。

 

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