失敗しないカフェ開業スケジュール表 ~準備とやること~

     

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Contents

未経験だとかかる時間が読みにくいカフェ開業までの流れ

基本的に店舗物件が決まったその日から家賃は発生します。
ということは
完全居抜きでない限り店舗の
内装なり外装なり工事することになります。
(大家さんが融通のきく方だと
工事期間中の家賃を無しにしてくれる場合もありますが。)
当然工事中は店舗営業による利益はでないので
いかに物件が決まってからいかに効率よく 開店に持ち込むか
がポイントになります。
下の図がカフェ開業までの一連の流れになります。

20180903 カフェ開業スケジュール

キーポイントの時間軸は4つ。
物件取得前
物件取得後
店舗引き渡し後
オープン になります。

物件取得前 (4~6ヵ月前)

事業計画書作成

カフェ開業を決めたらまずは事業計画書を作成してください。

CafeSKでサポートに入る場合は
事業計画書作成ナビゲートがあるのでそれに沿って作成することになります。
言い換えれば、カフェオープンまでのロードマップです。

目的地に行くのに、地図やナビゲートが必要であるように
『カフェを開業し繁盛店にする』
という目的地に行くには事業計画書作成が不可欠です。

物件取得前にお店のコンセプト、ペルソナ(仮想のお客様)作成や
ビジネスモデル、市場調査、資金計画に
販売促進戦略をしっかりと決めておきましょう。

物件選定・立地選定・店舗設計

物件選定・立地選定・店舗設計

事業計画書作成が終わったら(もしくは作りながら)
物件を探し始めましょう。
ちなみに事業計画書を作成して探すのとそうでないとで
探しやすさ、見つけるまでの時間は大きく変わります。

事業計画書を作成してあると
お店のコンセプトが受け入れてもらえる場所
ターゲットがいる場所を明確に選ぶことができます。

それがわかると
駅前だとか交通量が多いとかに振り回されずに
自分のお客様がいる商圏に店舗を選ぶことができることになります。

立地選定・物件取得の詳しい話は

を参考にしてください。

もし事業計画書を作成せずに
『同世代の女性に来てほしいなぁ』 『街の憩いの場所にしたい』
とフワっとしたコンセプトにしてしまうと
駅前からの距離と家賃と勘で物件を決めてしまう
という潰れるお店がやりがちな物件の選び方になってしまいます。
ちなみに物件を探し始めて1ヵ月以内に見つかる
ということはほとんどありません。
短くても1~3ヶ月、長いと半年~1年かかります。

なので、スケジュールが調整できるなら
独立前なら現在の職場で働かせてもらいながら
物件探しができると金銭的不安を
少しは抑えることができますね。
店舗設計ですが、この時点で完璧なものは作れません。
だって物件が決まっていないのですから。
とはいえイメージは図に書き起こしておきましょう。
業者さんに説明する際に話が早いです。

カフェ利用可で適切な物件が見つかったら
・電気容量
・ガス容量
・水道水であること(井戸水ではない)
を確認しましょう。
開店してから電気工事やガス容量を増やすのは
面倒なのはもちろん
井戸水だと、その時は使用許可がでても
その後の水質検査で不可になることがあります。
その時、自店に新たに水道を引こうとすると何十万かかりますし
当然お店も休まなければならないからです。

 

メニュー構成・厨房機器選定・什器備品選定・仕入れ業者選定

物件選定・立地選定・店舗設計

詳細は別の機会に書きますが

①軸となるメニューを決定
②そのメニューのにベストな厨房機器・什器・備品及びに仕入れ業者を選定。
③②を踏まえてその他のメニュー開発

を進めていきます。

まずカフェのお店の軸となるメニューを決定します。
詳しい理由はこちらの記事で

この順で作ると 必ず使う食材や、
厨房機器から逆算してメニュー開発できますね。

物件選定・立地選定・店舗設計

ここで厨房機器を始めとする設備投資ですが
飲食店経験者ですと、修業先で使っていたもの
を基準に決定していく方が多いと思いますし
未経験者の方でしたら、調べたり
使ってみたりして決めるかと思います。
もちろんその視点も大事ですが
経験者の方も未経験者の方にも
設備投資の判断基準として
ROA(総資産利益率)も考えていただくと
より費用対効果の高い設備投資が可能になります。
詳しくはこちらの記事で解説しています。

メニューはメニューでも
テイクアウトのカフェメニューについての記事はこちらをどうぞ

食材のロスや仕入れ業者の増加や余計な設備投資の防止
またオペレーションも極めて楽になります。
また仕入れ業者のうちいくつかは近場から選びましょう。

 

販売促進準備

販売促進準備

事業計画書の販売促進戦略に沿って準備を開始します。
広告にお金をかけずに効果的な販売促進を実施したいなら
一番時間がかかるWeb販促やSNS販促の下準備は
このころから進めておきましょう。

事業計画書で設定したターゲットに基づき
利用しているSNS等メディアをピックアップしたり
カフェ経営で忙しくなっても可能な運用計画を立てましょう。

例えばブログで記事を書いてもすぐには結果はでません。
しかし、オープン前からコツコツ書いておけば
オープン時に月10万の広告効果に匹敵するSEO効果がでることでしょう。
ブログでワードプレスを使うメリットはこちらにまとめてあります。

ワードプレスを使ったブログ設定の解説はこちらををご覧ください。

カフェや飲食店向けのワードプレスのテーマはこちらにまとめました

SNSもそうです。
例えばインスタグラムも前もって戦略的に投稿しておけば
開店時に大きな販促ツールに変化します。
両方とも半年は時間をかけたいですね。
参考事例はこちらをご覧ください。

プレスリリースを使う手段もあります。
PRTIMESさんでは開業2年間1ヶ月1記事まで無料で掲載できます。
詳しくはこちらをどうぞ

お店のロゴやシンボルデザインの時
にふまえておくべきことはこちらにまとめました。

またオープン時に配布や店前に貼るチラシのデザインや
店頭に置くショップカード、再来店訴求用チケットや
開店挨拶の文面や葉書、オープン来店時の記念品候補も
この時期から準備しておきたいです。

後でまた書きますが
これを開店前にやろうとすると大きな負荷になります。
開店前は想像以上に時間が無いと思ってください。

経理、会計・レジの選択・キャッシュレス対応

店舗としてどんな会計手段を使うか
タブレットでPOSレジなのか
セルフレジ対応のものにするのか
会計ソフトや他のサービスと外部連携できるのか。
は確認しておきましょう。

POSレジのスマレジさんの
インタビュー記事はこちら

またキャッシュレスに対応するのか
するなら
クレジットカード
電子マネー
QRコード決済など
出店戦略や想定ターゲットに応じ
なにを導入するのかを決定します。
QRコード決済サービスの比較はこちらの記事をどうぞ

採用計画(社員の募集と面接)

社員の募集、面接は物件取得前に終えておきたいです。
当然その社員も現場の入るスタッフになるので
相談するとより完成度が高い店舗作成ができます。

きっと社員候補の面接時はまだ働いている場合が多いでしょうから
どれくらいこちらの開店準備に関われるのかに応じて
報酬を支払うことにすれば金銭的にも負荷が少なくて済みます。
理想は一番最初の社員は縁故・知り合いで
どんな形であれ一緒に働いたことがあることがベストです。
開店前後は時間もエネルギーもギリギリで進行ことになります。
その時に能力や人柄をある程度把握できるスタッフがいることは
大きなアドバンテージとなります。

アルバイトの募集同時にしても構いませんが
社員の人数や能力がはっきりしてからの方が
どんなアルバイトを何時から何時まで欲しいか明確になり
より必要なスタッフを採用しやすくなります。

教育マニュアル

この教育マニュアルは2つの意味があります。
1つはレシピや掃除の仕方といった作業手順書
2つ目は『教え方』そのもののマニュアルです。

作業手順マニュアル

一般的いうマニュアルというものですね。
料理の作り方、掃除の仕方、ホールサービスの仕方など
店舗で必要な仕事を分解し手順にしたものです。
紙媒体だけでなはくweb媒体で動画も使い
手順マニュアルを用意しておきましょう。
動画はYouTubeでもvimeoでもどちらでも構いませんが
機密性を重視するならvimeoはパスワード閲覧が可能なのでお勧めです。
どちらが教えやすいか、 どちらが理解しやすいかは 教える人、教えられる人で変わります。
レシピはできれば 営業中調理 仕込み作業 ドリンク を統一したフレームにすると
慣れるのが早く 結果覚えるのが早いです。

教え方マニュアル

教え方マニュアル

作業手順書があるだけでは十分ではありません。
手順書があってもうまく教えられるとは限りません。
それは、仕事ができる人が =部下に教えるのが上手とは限らないと同じことです。
アルバイトでも経験と作業手順書があれば1人前の教え役になれるよう
『教え方』も前もって文書や動画にして、
根気よく教えていく準備をしておきましょう。

各種講習

食品衛生責任者

カフェ営業は飲食店扱いになりますので
1店舗に1人食品衛生責任者がいなければなりません。

調理師免許や栄養士などの資格をもっているか
食品衛生責任者講習に出席して
食品衛生責任者の資格を取る必要があります。
もし資格をもっていない場合は
開店までに食品衛生責任者の資格をとらなければなりません。
東京などの地域によっては人気で満員になってしまうこともあるので
早めに申し込んで取得しておきましょう。

防火管理者

店舗の収容人数が30人を超える場合は 防火管理者が必要になります。
床面積が300平米以上の場合甲種防火管理者
300平米未満の場合乙種防火管理者の扱いになります。
最寄りの消防署にいって講習会を受けて取得します。
甲なら2日、乙なら1日講習を受けて最後に簡単なテストで終わりです。
テストといっても、点が悪かったから防火管理者がとれなかった、
なんて話は聞いたことがないので安心してください。

必要な資格や申請手続き

必ず必要なものとして
食品衛生責任者
飲食店営業許可証
個人事業の開廃業等届出書
などがあります。
食品衛生責任者は上にも書きましたが
資格がないなら早めに食品衛生責任者講習を受講しましょう。
だいたい月1回あるのですが、東京など
人気にある地域によっては満席にあることもありますので。
飲食店営業許可証は保健所に。
店舗工事施行前の設計図作成時の設計図確認を保健所に、
工事施工7日前に消防署に防火対象物工事等計画届出書
を提出してください。
その上で保健所に店舗工事終了から営業開始までの間に視察してもらいましょう
同時に消防署に防火対象物使用開始届も営業7日前までに申請します。
これも設計図確認と現地確認が必要です。
これについてはまた後でも解説します。
これ以外も店舗の規模や営業時間等で
必要な資格や申請がでてきます。

そのあたりのことはこちらで解説しています。

融資申請 日本政策金融公庫

融資申請 日本政策金融公庫

カフェ開業、特に初めての場合銀行が融資してくれることはまずありません。
詳しくは、
銀行がカフェ開業希望者に融資をしない理由
に書いたので割愛しますが
となると融資先として
1 日本政策金融公庫
2 信用保証協会
3 商工会議所
の3つの選択肢になるわけですが
一番融資実績が多いのは日本政策金融公庫になります。
カフェ開業なら 日本政策金融公庫の中小企業経営力強化支援金 がお勧めなのですが
2018年以降融資基準が厳しくなり
1000万以上の融資なら中小企業経営力強化支援金
1000万円以下なら、新創業融資か新規開業資金
が適切な場合が多いです。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。

とはいえ、融資の条件はその時その時に変わるので
開業時に認定経営革新等支援機関に相談すると
より確実に、より手短かに、よりリスクが少なく融資手続きが進みます。

認定経営革新等支援機関についてはこちらをご覧ください。

申請から融資決定して入金されるまでの時間は 1か月~1か月半ほどみてください。

クラウドファンディング

カフェ開業スケジュール表には
クラウドファンディングを物件取得後で書きましたが
出店時期やクラウドファンディングの内容によっては物件取得前でも構いません。

クラウドファンディングとは?

例えば、開業する際に会員制にする場合や
(カフェでは少ない事例だと思いますが)
開店に必要な機器のサポートをお願いする場合は
早い時期からクラウドファンディングを実施したほうがいいでしょう。

またクラウドファンディングは資金調達以外に宣伝効果も見込めます。
特に大手のクラウドファンディングプラットフォームを利用すると手数料はかかりますが
その分成功した時の広告効果は非常に大きなものなります。

クラウドファンディングを成功させる為に必要なことはこちらにまとめてあります。

物件取得後

基本物件取得したら家賃が発生します。
ここから先に書いたこと以外はすべて物件取得前に終わらせて
より現場に集中できる環境を作ることが望ましいです。

店舗施工・デザイン見積もり

店舗施工・デザイン見積もり

物件が決まってはじめて
店舗施工・デザイン業者に見積もりをお願いすることができます。
事業計画書に基づいてコンセプトを伝えます。

この時に相手に自店のイメージを伝えられるように
言葉や画像を用意しておくと良いです。

こちらにカフェや飲食店の外観を
まとめてあるので良かったら参考にしてください。

その後物件を内覧してもらい見積もりをお願いします。

このとき必ず3~4社から相見積もりをとってください。

CafeSKでもクライアントさんに今まで実績のある業者さんを紹介しますが
それでも相見見積もりをとるよう薦めています。
物件が決まってから初めて業者を選択するのでは遅いです。
どのへんの業者に頼むのかある程度あたりはつけておきましょう。
業者選択をする際 設計業者と施行業者を一緒にするか分けるか、
考えるところだと思います。 それぞれのメリットデメリットを書いておきます。

設計と施行を同じ業者にする場合

まず開店までの時間は早くなります。
設計と施行が同じ会社なので、打ち合わせや業者手配の時間と手間が圧倒的に早いですし 自分のところで施行業者を抱えているのでいろいろ融通が効きます。
物件決定したら家賃の都合上なるべく早くオープンしたい飲食店の立場からすると このメリットは大きいです。 飲食店の実績が多いところだと、厨房器具も基本的なものを 店舗設計の見取り図に合わせて一式揃えてくれたりします。
しかもかなりお安く。 デメリットはチェック機能が働きにくいところですかね。

設計と施行を別の業者にする場合

メリットは工事費そのものが安くなりやすいこと。
設計・施行、そえぞれ3~4社で相見積もりをだしてもらうことになるので 同じ業者にするより工事費は安く済みます。
デメリットは 設計から施行への情報の引継ぎが発生するため 工事期間は長くなってしまうことが多いですね。
その分家賃を払うことになりますね。

見積もりのポイント

さて見積もりをお願いすると
・大雑把に早く見積もる
・詳細にでも時間をかけて見積もる
の2パータンが多いようです。
そしてどちらを選択するかというと 後者の業者さんであることが多いです。
やはり設計の段階でしっかり見積もってくれる方が安心するのもありますが。
店舗デザインの見積もりが早いところだと 1~2週間でだしてきます。
時間がかかるところは1ヵ月近くかかりますかね。
で、こちらは最終決定は一番最後の業者の提出に合わせることがほとんどです。
やっぱ全部見たうえで判断したいですから。
結果、詳細にでも時間をかけて見積もる業者さんを選ぶことが多いです。
公平に評価したいなら業者さんにいつまでに見積もりが欲しいと連絡して その上で判断することです。

店舗業者決定・保健所、消防署に設計図確認

業者さんから店舗の設計図決まったら必ずその時点で
保健所と消防署に出向いて設計図を確認してもらってください。
ここを忘れて店舗工事が始まり完成して
さぁ、営業許可貰うために保健所に行ったら
不備があって許可が降りず、
不備を改善するには店舗工事が必要となったら目も当てられません。
『そんな工事なんて今さらできないですよ~』
と泣きついてもなんの意味もありません。
ただ営業許可が降りないという事実しか残りません。

そしてOKがでたら工事開始です。
もし設計図の段階でちょっとでも保健所・消防署から改善を指摘されたら
素直に応じてください。
この時点でごねると要注意店舗とみなされ
営業開始した後もちょくちょく店舗査察が入ることになりかねなません。

そしてこの時点で施工業者さんから
工事スケジュールが提出されるはずなので
それに基づき保健所と消防署に店舗に出向いて
店舗施工工事終了後、営業許可をもらう審査してもらうためのスケジュールを調整してください。
まぁ、場所によってはもうちょっと開店が近くなったら
というところもあります。
だいたい店舗工事終了予定2週間前にスケジュールを調整しに行けば
店舗引き渡し後スムーズ査察をしてもらうことができます。

アルバイト募集

アルバイトを募集する場合、店舗が完成する前に始めましょう。
できれば、最初は縁故、知り合いに声をかけると安心ですが
出店地域からアルバイトを雇うことができると
現地の情報、スタッフの紹介などメリットが多いです。
どれくらい雇うかにもよりますが、
信頼がおける縁故採用と
地域から雇う募集を組み合わせるのが理想的です。

施工中の店舗に告知できるなら貼り紙でいいので告知しましょう。
面接で店舗ができないことを想定し代替場所を確保し
面接前に質問する事項はまとめておきましょう。

面接時のポイントはいろいろありますが
応募してきた人は、採用を見送ったとしても
後でお客様になる可能性が非常に高いことをふまえて接することが大事です。
もし明らかに採用しない相手に、不手際があった場合
その情報がその地域に拡散する可能性があります。
後でフォローがしにくい不採用にする相手にこそ丁寧に接しましょう。
面接終了時に、採用でも不採用でも使えるチケットを渡すのもいいです。

補助金・助成金申請

補助金・助成金の種類によりますが
2~5月くらいに申請するものが多く、1年に一度しか機会がないものが多いです。
時期によっては開店から申請する形になりますが適切に利用したいです。

ちなみに補助金と助成金の違いは
助成金は資格要件を満たしていれば受給できるのに対し
補助金は、事業計画書を作成して『どのように役立つのか』「事業の社会的意義』など
必要性を明確にしないと審査で承認されません。

補助金だとカフェ開業時のタブレッドレジ購入や
インボイス制度対応ソフトやシステムで使える
IT導入補助金をはじめ
創業補助金・小規模事業者持続化補助金・ものづくり補助金
また
東京都インバウンド対応力強化支援補助金
港区限定で港区新規開業賃料補助制度
といった自治体限定のものもあります。
助成金だと
軽減税率対策助成金・受動喫煙防止対策助成金・キャリアアップ助成金
職場定着支援助成金
また最近だと総務省が
地域の資源と資金を活用して
地域に雇用を生み出す事業を支援することをテーマにした
『ローカル10,000プロジェクト』
正式名称『地域経済循環創造事業交付金』などもあります。

銀行・両替方法の確認

銀行・両替方法の確認

店舗が利用する銀行と
また両替で使用できる場所を確認しましょう。
銀行で両替カードを利用する場合がほとんどでしょうが
ある一定以上からは両替は有料になります。
ただ個人店規模だとやりくりしだいで無料両替分で済ますことも可能です。
両替カード以外にも該当銀行のキャッシュカードでも
一回両替が無料なことが多いのでそこも上手に利用しましょう。

またできれば開店時に銀行からいくらか融資を受けておきましょう。
経営が厳しくなってからは銀行は絶対に融資をしませんが
開店時なら話は別です。
100万ほど借りて、手を付けずそのまま返済し返済実績を作っておくと
事業拡大時、またピンチの時に銀行を味方にすることができます。

支払いスケジュール

社員・アルバイトへの給与
業者への支払い
融資返還や支払金利
水道光熱費支払いなど
支払時期をしっかり把握しておくと、
キャッシュフローが明確になり
『見落とした出費・急な出費』が減り健全に経営しやすくなります。

雇用保険・ハローワーク

労災保険と雇用保険は従業員が1人でもいれば強制適用です。
これは法人・個人経営にかかわらずです。

ハローワーク(公共職業安定所)に
雇用保険に適用事業となった日の翌日から10日以内に手続きをしましょう。

社会保険・年金手続き

労災保険や雇用保険と違い社会保険(健康保険と厚生年金保険)は
カフェの店舗が法人の場合は
オーナー1人でも強制適用事業所として
社会保険に加入する義務があります。
しかし個人経営の場合
法定業種であれば従業員数が5人未満なら強制ではなく任意適用
5人以上になると強制適用なのですが、
カフェや飲食店は法定外業種となので
従業員を何人雇っていても個人経営である限り
加入義務はなく任意加入ということになります。

店舗引き渡し後

施工工事が終わり大枠の店舗は完成しました。
店舗そのものはもちろん、厨房機器も搬入されていることでしょう。
店舗開業でテンションが高くなる時の1つですね。
とはいえ、家賃がすでに発生していることがほとんどですから
速やかに開店することが急務になります。

設備動作確認

設備動作確認

施工業者から店舗を引き渡されたらすぐ確認してください。

電気回路は正常に作動するか
水道やトイレの上下水道は問題ないか
ガス及びガス利用機器は問題なく作動するか?
厨房機器は注文したものが納入されているか
(例 製氷機がブロックタイプを注文したのにクラッシュタイプが納品されていないか)
冷蔵庫・冷凍庫は問題なく作動しているか
エアコン等空調機器は問題なく作動しているか

音響や監視カメラは問題ないか
ドアや窓の開閉に変な音はしないか

などなど。
引き渡しが終了した後に気づくと
その責任が施工業者なのか
それともこちらの不手際なのかがはっきりせず
いろいろ面倒なことになることがあります。

引き渡しの時に施工業者同伴で動作確認は必ず実施しましょう。

保健所・消防署内覧

店舗引渡し前に調整した日に
保健所及び消防署が営業許可発行のためにお店にやってきます。
ここはもう何を言われても素直に対応してください。
要点は設計前に確認が済んでいるので
ここでなにか言われることは少ないと思いますが
万が一言われた場合、速やかに対応してください。

ここをクリアして初めて飲食店営業許可がおりるのですから。

メニュー試作

カフェ開業スケジュール メニュー試作

機材や什器の整理と並行してメニューの試作の開始です。
もちろん試作はいろんな場所でしていると思いますが
ガス台の火力やオーブンの具合、その他もろもろの条件は
立地や店舗の具合で微妙に変わります。
また食材や仕入れ品も100%想定通りいくことはありません。
現場ですべてのメニューを試作してください。
またこの時に写真や動画で撮影しておいてください。
後でマニュアルを作る際にとても役に立ちます。

オペレーション確認

メニュー試作が6割メドがついたら
実際に営業を意識してオペレーション確認をします。
もちろんホールサービスのオペレーションは
メニュー試作を待つ必要はありませんが
キッチン、ドリンク、ホール、会計、
それぞれ個別でオペレーション確認ができたら
通しで確認することになります。
またここでも写真や動画で撮影しておいてください。
マニュアルを作る際にとても役に立ちます。

シフト作成

これは店舗引渡し後、というより
スタッフが確定した後に作ってしまって構いません。
スタッフが決まっているなら、引渡し前に仮シフトを作成しておき
店舗オペレーションのメドがついたら本作製するのがいいでしょう。

オープン前販促

まずオープン前販促をするかどうかは
開店してすぐの時間をどう使うかで変わります。
お店にも慣れたしトレーニングはOK。
他のスタッフも問題ないなら
オープン初日から満席になるよう積極的に販促します。

オープンは開店後でもTOPクラスの販促効果がでるタイミングですから
そのチャンスを最大限活かします。

逆に、家賃の都合もあるので早めに開店するけど
営業しながらオペレーションを整えて、
スタッフにも慣れてほしいと考えるなら
販促は店舗の貼り紙程度にとどめて
みんながお店に慣れてきたところで

対外向けに販促するのがいいでしょう。

社員研修・アルバイト教育

オペレーション確認が終わったら、
具体的な研修や教育に入ります。

レジ・釣銭及び現金の取り扱い

レジと金銭の保管方法は開店前に決めておきましょう。
開店時レジに、釣銭がいくらあるかを
確認することをマニュアルに組み込むことで
閉店後のレジ締作業が楽になりますし
もしスタッフが出来心で釣銭や売り上げの
盗難を目論んだとしても発覚が早くなるので
未然の予防にもなります。
最初は曜日によって売り上げが変わるので、
用意する金額はその日で変更するスタイルでいいですが
もし毎日が繁盛して高いレベルで安定したら釣銭を固定にしてもいいでしょう。

レジとは別に小口現金等金銭を保管することになると思いますが
保管方法は、場所や責任者を明確にし
明朗な状態で扱えるようにしてください。
できれば1日の売り上げが次の日に
銀行に預けて通帳に記載する形が望ましいです。
土日で入金が難しい場合でも
月曜日に金・土・日の売り上げを分けて入金すれば解決
です。
カード決済をしているなら(むしろカード決済対応は推奨します)
レジを会計ソフトと連動しているものを選ぶとスムーズです。

またコロナ予防の観点で自動釣銭機も
月2万円台で使えるようになりました。
月2万と聞くと高く思えるのですが
実はそんなことないのです。

詳しくはスマレジインタビュー記事内の
閉店締め作業からストレスレスを実現した自動釣銭機とPOSレジの連携
をご確認ください。

定休日の選定(仮)

定休日をいつにするかですが、これは立地の相性はもちろん
あなたのプライベートも加味して考えてください。
例えば地方郊外駅近くに出店し、月曜日定休にしたとしましょう。
この時毎月第3日曜も定休にすると、月に一度連休をとることができます。

カフェ経営に限ったことではないですが
自分がいる空間が固定するればするほど人も店も成長しにくくなります。
連休があることで、他のお店や違う場所から情報や刺激がはいるのはもちろん
家族や友人との時間を通してプライベートの余裕が生まれてカフェ経営にプラスになるでしょう。

もちろん開店してから、土地の傾向がはっきりして
定休日を変更するもいいでしょう。
ただあまり頻繁に変えるとお客様が戸惑って
来店動機が下がるので気を付けましょう。

プレオープン

プレオープン カフェ開業

プレオープンの意義

プレオープンの意義として
・通しで営業することで課題を明確にし、開店前に修正する
・近隣や知り合いにオープンすることを知らせる
・プレオープンをSNS拡散やプレスリリース等で使い開店前販促の一環にする。
の3つがあります。

CafeSKでサポートに入る場合
プレオープンを2回以上やることを推奨しています。

プレオープン1回目

1回目は知り合い中心で。
前職の上司や同僚はもちろん学生時代の友人などを中心に呼びます。
目的は
『不手際があっても大丈夫』と『本音でフィードバックしてもらうこと』

『不手際があっても大丈夫』は、
おそらくこの日が初めての営業スタイルのオペレーションになるので
よほど失礼なことでない限り不手際があってもお店に傷はつきません。

そして、知り合いだからこそ
『本音でフィードバックしてもらうこと』が可能
になります。
開店前に本音の意見がもらえるのは貴重です。

プレオープン2回目

1回目のプレオープンをもとに課題を解決・修正し2回目のプレオープンを迎えます。
この時は、近隣のお店や住民の方に挨拶をかねて、
またこれからお世話になる業者さんや
開店する際にお世話になった方これからお世話になる方などを招待します。
1回目は身内が多めな和気あいあいとした中、課題の発見と修正が目的でしたが
2回目『お披露目』の要素が強くなり、それほど繋がりが無い方も多い中で挨拶と宣伝が主目的になります。
もしここで致命的な課題があるなら開店日を延期することも視野にいれましょう。

最終調整・体調管理

CafeSKでは2回目のプレオープンから少なくても1日
できれば2日たってから本オープンすることを推奨しています。
プレオープンの次の日に本オープンはお勧めしません。
仕込み・買い出し・課題の修正や営業の最終確認等やることはたくさんあります。
そしてここで半日、できれば1日でいいので休暇をとってください。

本オープンしてから長い長いカフェ経営が始まります。
そのスタート前に体力・気力を補填してスタートしましょう。
理想は体力・気力が満タンなのでしょうが、まぁオープン前のバタバタを考えると無理でしょうから(笑)

オープン

オープン

そしてついにオープンの日を迎えます。

オープニング専用のヘルプの準備

 

オープン用に何人かヘルプを用意しておきましょう。
ちょっと人数が多いくらいで構いません。

オープニング特別営業日程

 

またオープンからの営業日程ですがオープン特別日程にすることをお勧めします。
具体的には
・最初の3日は短縮営業
・2~3営業後休みを入れる
の2点です。

プレオープンで一番把握が弱くなりがちなのは、後片付けです。
初めての開業の場合、営業後の片付けの時間が慣れた時と比べると倍近くなることもあります。
1~2時間短縮営業することで対応できるのがほとんどですし
2~3日あればコツはつかめますので。

また2~3日後に休みを入れる理由は
・営業した後のオーナーやスタッフの意見をまとめる 
・それで見えた課題の修正やオペレーションのレベルアップ
・確実に必要な器具や消耗品がでてくるのでそれらをまとめて仕入れる
・予想以上に消耗した体力の回復
ですね。

弱くなると思われる時間帯の情報収集

開店から十数日はどの時間もまんべんなくお客様がいらっしゃいます。
その時に、アンケートなどでお客様の声を仕入れておきましょう。
特に開店景気が落ち着いた後に客足が弱くなると思われる時間にきているお客様からは重点的に。

カフェだと13時以降客足ががっくり落ちることが多いので
前もって来店動機やその時間に使っている他のお店などは生の声で把握しておきたいです。

13時以降に客足が落ちる場合の対策はこちら

最後に

カフェ開業のオープンまでの流れを解説してみました。
最初から作成する事業計画書の量の多さや
物件取得前後のやることの多さに驚いたかもしれません。
大変だな、と思ったかもしれません。

実はこのカフェ開業スケジュールは確実に繁盛するための方法で
だいぶ省略して開店するお店も多いです。
しかし、ここの手間を惜しんだお店は開店後苦労することが多いです。
逆にこの開業スケジュールの通りに手間をいとわず開業したお店は開店後の苦労が
手間を惜しんだお店に比べて明らかに少ないように見受けられます。

要は、開店前に苦労するか、開店後に苦労するかの2択なんです。
それなら多少面倒でも、開店前に苦労しておいて
開業後本当に楽しんで打ち込めるカフェ経営にしましょう。

 

 




 

 

 

 

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