麺巧 潮さんの『にほんいち醤油そば』に学ぶ 高い調理スキルの活かし方

     

小川町の実力店 麺巧 潮 

小川町・淡路町駅近く、
御茶ノ水のワテラスの裏手にあるラーメン専門店『麺巧 潮』

麺巧 潮
にほんいち醤油そば 黒
鶏白湯そば 白
の2本のラーメンが軸のお店です。
瀧澤が食べたのは にほんいち醤油そばのみですが
盛り付け、味のバランス、厨房見取りなどから
とても高い調理スキルを持っているお店という印象を受けました。
一杯のラーメンの完成度としても、
とても驚かされましたがそれ以上に凄いな、と感じたのが
その高い調理スキルをどこに使ったか、ということでした。

飲食店閉店あるある 美味しいけど潰れる

さきほど『高い調理スキル』という表現をしましたが
高い調理スキルが飲食店に必須というわけではありません。
大手チェーン店が、社員は店長だけあとはアルバイトで運営していることを考えれば
店舗数の半分以上は『高い調理スキル』無しであるといえます。
その中で、自分に『高い調理スキル』があるとわかっていると
つい『自分が思う最高の味』で勝負したくなるものです。
しかし最高の味勝負というのが、飲食店で非常に難しい。
なにが難しいかというと『判断しにくい』ということです。
味が美味しいかどうかというのは極論すれば個人の好みです・
調理経験者や料理が好きな人なら
この肉の火の入れ方、ギリギリのところ見極めてるな 
とか
野菜の切り方を変えて、口の中でいろんな食感を作りにいってるな
とか
『調理側の意図』を読み取ることを楽しむ人もしますが
一般の人は
『美味しい』
『柔らかい』
『熱い』
『冷たい』
『辛い』
『甘い』
といったわかりやすい味覚に反応しやすく
高い調理スキルから生み出される『違い』がわかりにくい傾向にあります。

麺巧 潮さんの優れている点 高い調理スキルで『違い』をわかりやすくした

 潮さんの素晴らしいところはその高い調理スキルで今までできそうで
できなかったことを実現させた点です。
それは魚出汁だけの醤油ラーメン
通常ラーメンのスープには豚骨や鶏、場合によっては牛などが入っていて
ラーメンのスープを司る大事な要素となっています。
これを、動物系を一切抜いて魚出汁で作ったのです。
これを本物の醤油で作ったカエシでラーメンにする。
実はこの発想は結構前からあり、実践してみたラーメン店がたくさんあるのですが
いかんせん蕎麦やうどんと似通ってしまってラーメンにする意味がなくなってしまう場合が多かったのです。
それを麺巧 潮さんでは、魚出汁×醤油でそばやうどんではなく
魚出汁の良さと醤油の実力をひきだしつつ、しっかりとラーメンを作り上げたのです。
つまり高い調理スキルを使い、新しい別ジャンルのメニューを作り上げたのです。
これができるお店は不毛な競争から解放され繁盛店へとなることができるのです。

 

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